AIDMA(アイドマ)の法則とは何?もう古い?今はAISAS(アイサス)やSIPS(シップス)にも注目が

人がモノやサービスを認知し、購買に至るまでのプロセスをマーケティングに応用が出来るようにモデル化したものがあります。

これまではAIDMA(アイドマ)の法則が一番認知されてきましたが、マーケティング手法がWEBマーケティングやSNSマーケティングと様々なマーケティング手法が出てきたため、AISAS(アイサス)の法則、SIPS(シップス)の法則といった新しいモデルも出てきています。

AIDMAの法則が古いというわけでなく、それぞれも購買プロセスには意味があり、それぞれのモデルを正しく理解する事で、消費者の消費行動プロセスを自社のマーケティングに応用できると思いますので、ここでは3つのモデルを解説し、例を挙げながらご自身のプレゼン、営業、広報などに活かす方法を示していきます。

 

AIDMA(アイドマ)の法則とは?

まずはじめに、AIDMA(アイドマ)の法則についてですが、図解すると

AIDMAの法則

消費者が、モノやサービスを知ってから、購入という行動を起こすまでのプロセスには、

A 認知・注意 Attention
I 興味・関心 Interest
D 欲求 Desire
M 記憶 Memory
A 行動 Action
の5つのプロセスをたどっていく事が、1920年代のアメリカ合衆国サミュエル・ローランド・ホールによって提唱されました。
AIDMAは、3つのプロセスでカテゴライズする事もでき、
  • 第一プロセスは「認知段階」 A(Attention)
  • 第二プロセスは「感情段階」 I(Interest)、D(Desire)、M(Memory)
  • 第三プロセスは「行動段階」 A(Action)
と、商品やサービスをテレビや新聞折り込み、広告などから知る事がはじまりで、興味や関心で商品やサービスを受けてみたい、実際に体験してみたい、手にとって確かめたいと感情や欲求が刺激され記憶されていきます。
その結果、実際に商品やサービスを受け続けたいと行動に移していくわけです。

AIDMAの法則を活用した例

では、AIDMAの法則を実際に使って、商品やサービスのプレゼン、営業、広報に活かす方法を考えてみたいと思います。

2020年2月現在、テレビで扱うニュースに多く出ているのが新型コロナウイルスですので、次亜塩素酸の消毒液を例にしたいと思いますが、

A 認知・注意
=コロナウイルスには、次亜塩素酸の消毒が有効らしいとテレビで紹介されていた。

I 興味・関心
=日本で観戦事例も出てきているので、予防のマスクをするだけでなく、身近なところでは消毒もやらないといけない。
=次亜塩素酸の消毒液は、そんなに高いものではないので、各家庭でも十分購入が出来るが、ドラッグストアなどでは売り切れも出てきているらしい。

D 欲求
=自分も家族も危険なウィルスから守るため、買っておいたほうが良いよね。

M 記憶
=家にあるアルコールスプレーは次亜塩素酸が入っているか分からない。
=見つけ次第、品薄なので買っておいたほうが良いな。

A 行動
=今日の新聞折込で入荷と書かれていたので、買っておこう。

簡単な流れで言えば、消費者はテレビやCMなどを見て、興味や関心を持った事から、自分ごと化した時に、行動へと移していくという事が分かります。

 

AIDMAの法則を活用した企画実例

AIDMAの法則を語る際に、マーケティングに活用し大きな成果を挙げた事例の1つに資生堂のTSUBAKIというシャンプーがあります。

TSUBAKIのプロモーションは「日本女性の美しさ」を上手く引き出し、TSUBAKI登場までの欧米のブロンズヘアへの憧れから、日本人女性の黒髪を強調したもので、黒髪の似合う女優さんを次々と起用していきました。

AIDMAの法則に落とし込んでいくと、

A 認知・注意
=テレビCMに大物女優を次々に起用し、その数12人!

相沢紗世さん、蒼井優さん、杏さん、生方ななえさん、香里奈さん、黒木メイサさん、鈴木京香さん、竹内結子さん、田中麗奈さん、仲間由紀恵さん、広末涼子さん、観月ありささん

I 興味・関心
テレビCMなどのプロモーションで目を引くように、

  • キャッチコピーを「日本の女性は美しい」とした。
  • 古来日本人が使ってきた椿オイルに注目し古風さを強調。
  • パッケージを深紅にし、優美な曲線でデザイン性を強調し目立たせる。

といった、プロモーションを展開。

D 欲求
=ドラッグストアやスーパーなどに、サンプル商品が並び、配布。

M 記憶
=ドラッグストアなどでPOPやコンディショナーのセットを合わせるなど、販促活動を大々的に行い、視覚的にも記憶の定着化を行っていきます。

A 行動
=サンプルも悪くなかったし、女優さんのようなきれいなハリ、ツヤのある黒髪に憧れるし、パッケージもキレイので使い続けてみよう。

となります。

 

AIDMAの法則を接客やプレゼンに活かす

AIDMAの法則をマーケティングに活かすだけでなく、接客やプレゼンテーションの際にも活かす事が出来ます。

例えば、接客の場合であれば、飲食店の店員だと

A 認知・注意

「今日のランチは、ハンバーグとエビフライのセットです」

I 興味・関心

「ランチセットには、プラス100円で食後のコーヒーがつきます」

D 欲求

「ランチの方が割安だな」

「ハンバーグだけでなく、エビフライもついてお得だな、美味しそうだしいいな」

M 記憶

「ランチは、他にも定番のモノがメニューにも載っています、そちらも食後のコーヒーをセット出来ますよ」

「ランチに食後のコーヒーまで付くなら、その方がお得だな」

A 行動

「じゃーランチと食後にホットコーヒーでお願いします」

となっていくように、プレゼンテーションでも表紙を工夫し認知させ、興味・関心へと繋げていくプロセスを踏む流れを作っていくようにしていきましょう。

その際に、プロスペクト理論を活用すると、消費者のニーズや欲求に訴えかけやすくなるはずですので、こちらも参考にして頂けると、より良いプレゼンテーションが出来るかと思います。

 

AISAS(アイサス)の法則とは

次に、AISAS(アイサス)の法則についてですが、図解すると、

AISASの法則

AIDMAの法則から約70年近く経ってから、インターネットが普及しはじめ、消費者の行動プロセスに変化が見られ始めたため、広告大手の電通さんが、5つのプロセスを再構築したモデルですが、

A 認知・注意 Attention
I 興味・関心 Interest
S 検索 Search
A 行動 Action
S 共有 Share
と後半がAIDMAと違うのが特徴で、インターネット特有の「検索」してから商品やサービスの購入をし、口コミでシェアーされるというものです。
ここでいうシェアは、当初はSNSを使ったシェアではなく、イメージとしては楽天、Amazon、ホットペッパー、食べログといった、口コミを入力されたもので共有されるもので、1990年代から2000年代にかけて普及したマーケティングモデルでした。
しかし、SNSが普及し検索方法も「ググる」だけでなく、SNSのハッシュタグ検索などが行われるようになり、情報のシェアもSNSを介する事で爆発的な勢いで拡がるようになりましたので、今ではS(Share)には共有だけでなく、拡散の意味も含まれていると、私は感じています。

AISASの法則を活用した企画事例

実際に、AISASの法則を活用し、大きなプロモーションを成功に導いた事例としてRIZAP(ライザップ)があります。

RIZAPのプロモーションをAISASで示すと、

A 認知・注意
=テレビCMで、今までにない切り口を採用、ビフォーアフターや芸能人の起用などRIZAPを知らない人にCMの面白さを伝えていきました。

I 興味・関心
=当初のRIZAPのペルソナ(顧客設定)は「ビジネスパーソン」で、痩せたい潜在的なニーズを掘り起こそうとしていました。

2ヶ月でムキムキの身体、健康そうな身体になる「結果にコミットする」というキャッチフレーズは、2015年の流行語大賞候補にも選ばれています。

S 検索
=消費者が検索した時に、情報が分かりやすいようにホームページを用意、同時にアフィリエイト広告を活用し、ホームページ以外で検索する消費者層にも上手くプロモーションしていきます。

※アフィリエイト広告を用いたWEBマーケティングについては、

【2020年完全版】WEBマーケティングとは?メリットとデメリットをそれぞれの施策ごとに徹底解説!

で詳しく解説していますので、参考にしてください。

実際、アフィリエイターにはRIZAPの関連キーワードで、口コミ、評判、悪評、不満といったネガティブワードもポジティブな印象へ変えるようなWEBマーケティングが行われました。

A 行動
=ホームページでは「30日間の全額返金保証」を謳うなど、29万8,000円という高額商品にも関わらず購入しやすいように、購入ハードルを下げるプロモーションを展開しました。

S 共有
=テレビCMでは、次々にRIZAPで変わっていく芸能人の様子を放映し、またRIZAPで結果を出した会社の同僚や友達の口コミが拡散されはじめ、目に見える結果がさらなる広告宣伝効果を生んでいきました。

さらに紹介制度もあったため、消費者がさらに紹介者を連れてくるという連鎖も生まれ、プロモーションは爆発的な人気が出ました。

SIPS(シップス)の法則とは

続いて、SIPS(シップス)の法則についてですが、図解すると、

SIPSの法則

AIDMAやAISASといった顕在化した消費者への購入プロセスをモデル化しただけでなく、潜在的なニーズや悩みを持っている消費者の行動プロセスとして使われていますので、ソーシャルメディアならではとなります。

それぞれのプロセスですが、

S 共感する Sympathize
I 確認する Identify
P 参加する Participate
S 共有&拡散する Share & Spread
の4つのプロセスがある事を電通コミュニケーションデザインセンターの社内ユニットが提唱したものです。
AIDMAやAISASと違い、商品を認知するというプロセスがなく、最初に商品に共感するプロセスが出てくるのは、SNSを見て「この商品良いなぁ」、「このサービス試してみたい」という事から始まり、商品を確認したあとに参加、共有、拡散するというプロセスになるのが特徴です。
つまり、消費者が商品やサービスに共感し、商品やサービスを一緒に作り上げていくイメージの消費者参加型で、満足度が高まれば、さらにSNSでシェアされていき、情報がどんどん拡散していくのです。
オンラインサロンといったビジネスモデルは、分かりやすいSIPSの法則を使ったモデルだと言えますね。

SIPS(シップス)の法則のプロセス

これまでのAIDMAやAISASと違って、SIPSの法則は先に共感が生まれる(S)ところから始まります。

そのため、共感の対象となるものが必要ですが、

  • 商品であれば、商品そのものの魅力やアピールポイント
  • 企業であれば、ブランド力やイメージ
  • 個人であれば、権威性、専門性

が、共感を生むカギになってきます。

分かりやすい例で言えば、Aという商品があり、類似商品がある場合でも、Aを販売する企業が東証一部上場で類似商品が中小零細企業という場合になると、商品に対するブランドやイメージはAの方が上になる事が多いでしょう。

また、個人で比較した場合でも同じ商品をSNSで見た場合でも、かたや芸能人、そして一方で一般人でインフルエンサーでもない場合は、明らかに影響力が違いますので、芸能人が紹介した場合の方が共感を得やすくなってくるはずです。

 

続いて、確認する(I)ですが、テレビなどのマスメディア以外に、インターネット、SNS(Twitter、Instagram、You Tube、LINEなど)やアプリが普及した事で、消費者は情報を受け取るのが容易になっていますので、仕入れた情報を一旦「確認する」というプロセスを経るようになります。

つまり、比較検討のため、情報を精査する事が前提で、共感した商品を即時に購入へ移る人は少ないという事になります。

 

確認した後に起こす行動は、参加する(P)というプロセスになりますが、SNS特有の参加の仕方ですが、

  • RT(リツィート)、いいね!などの反応ボタン、コメントする

といった方法で、購入しなくても参加する事があります。

しかも、参加するレベル感によって、階層分けされていて、

SIPSの法則 参加レベル

→ 電通モダンコミュニケーションラボより引用

電通モダンコミュニケーションラボでは、表の通り4階層に分けています。

購買層となるのは、上から

  • エバンジェリスト(伝達者)
  • ロイヤルカスタマー(支援者)
  • ファン(応援者)

なのですが、重要なのは、一番下の階層「ゆるい参加(パーティバンド)で、SNSでいいね!を押してくれる割合は、27.4%にものぼり、商品、企業、個人のブランディングや販促活動の後押しをしているという事実です。

もちろん、上の階層にいけばいくほど、商品などに愛着を持ち、応援してくれるようになっていくわけですので、重要な位置づけである事は言うまでもないですね。

 

そして最後の共有&拡散する(Share & Spread)ですが、SNSではいいね!やコメントした事は共有されますので、それらを見たコミュニティの個人は、それぞれのSNSでさらに拡散をしていく行動を取ります。

SNSで拡散される事で、さらに参加人数が増えていくスパイラルに変わっていきます。

 

SIPSの法則を活用した企画実例

企業がSIPSを上手く活用していると感じた実例を紹介したいのですが、私自身もプロモーションに参加したステーキガストの例を挙げたいと思うのですが、

S 共感
=日頃の感謝を込めて、2000円分の商品券があたるTwitterプロモーションを広告し、共感を得られるように仕掛けます。

I 確認する
=おそらく、Twitter広告で私の元にきたと思うのですが、それを見た私は「子どもたち連れていく事もあるし、近所にあるな」と思い、キャンペーン内容を確認しました。

P 参加する
=参加の方法は、リツイートする事で結果がリプライで届くというものでしたので、早速このツイートをリツイートしました。
(残念ながら外れました・・・が1/30まで毎日チャレンジ出来ましたので、チャレンジし続けました。)

S 共感&拡散する
=リプライという行為自体が拡散になりますので、参加を決めた時点で共感し、拡散の行為に移る事が必然です。

このキャンペーンで、ステーキガストはリツイートは28,000回、いいね!(ハート)は3236個獲得する事ができ、効果的な宣伝を行う事が出来ました。

 

3つの消費者購入プロセスのまとめ

今回、AIDMAにはじまり、インターネットの普及からAISAS、ソーシャルメディアならでのSIPSといった、消費者の購入までのプロセスをモデル化したテンプレートを紹介してきました。

  • 店舗ビジネスや接客や営業を主とする場合であれば、AIDMAがマッチしやすい。
  • ググる消費者であれば、AISASがマッチしやすい。
  • ソーシャルメディアであれば、SIPSがマッチしやすい。

と一応の目安はありますが、どのモデルが新しいもしくは古いというわけではなく、それぞれえのモデルを自社のマーケティングに活用するために、どうすれば良いか??

を考えてみると、どのモデルが顧客分析に役立つのか?マーケティング戦略に役立つのか?使い分けが出来るようになると思いますので、是非とも参考にして頂き、自社の売上げアップに繋げて頂ければ幸いです。

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